四方を海に囲まれた我が国の沿岸域は、波浪と流れによる土砂移動が活発です。

鳥取県の沿岸域においても土砂の堆積で河口が閉塞したり、漁港、港湾で船舶の入出港が困難となることが度々です。

当プロジェクトでは特殊エジェクターシステムを用いた砂除去システムを利用して、これらの問題に取り組んでいます。

2019年度および2020年度には、鳥取県中部の北条川放水路の河口閉塞の解消に取り組みました。

北条川放水路では、再々、河口が沿岸の砂移動で河口部が閉塞しダム状態になります。

これまでは人力や重機で土砂を除去しています。しかし豪雨時や夜間では開削が困難なことから、試験施工として特殊エジェクターを利用した土砂除去を実施しました。

この技術は、国内の建設会社がダム湖での土砂除去技術として開発したものですが、この技術を北条川河口部に展開したのです。

2年間の試験施工で、本工法で河口閉塞解消が可能なことが検証され、地元住民の方々からも高い評価をいただきました。

現在、当プロジェクトでは産学共同の組織で研究会を作って、土砂吸込口の複数化、吐出口の改良、配管等の小型化等を検討しています。